平成29年度労働基準監督署による長時間労働などの監督指導結果

厚労省から、平成29年度に行った長時間労働が疑われる2万5,676 事業場に対して実施した[労働基準監督署による監督指導]の結果が公表されました。
「違法な時間外労働」、「賃金不払い残業」、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」などの違反内容ごとに監督指導の件数が出ています。
また、別添で監督指導が行われた事例が紹介されていて、事例の内容では36協定の締結届出、長時間労働の是正、健康障害防止措置に対する指導が多く見受けられます。

【某 自動車整備業の事業場への指導】
●36協定で定める上限時間を超えて時間外労働を行わせたことについて是正勧告 (労基法32条違反)
●時間外・休日労働を月80時間以内とするための具体的方策を検討・実施するよう指導
●賃金台帳に各労働者の労働時間数等を記入していないことについて是正勧告(労基法108条違反)
●健康診断において異常所見があった者に係る医師の意見聴取を行っていないことについて是正勧告(安衛法66条の4違反)

【某 旅館業の事業場への指導】
●36協定を締結・届出することなく、時間外労働を行わせたことについて是正勧告(労基法32条違反)
●時間外・休日労働を月80時間以内とするための具体的方策を検討・実施するよう指導
●過重労働による健康障害防止について指導
●労働時間が6時間を超える場合に少なくとも45分、8時間を超える場合に少なくとも1時間の休憩時間を与えなかったことについて是正勧告(労基法34条違反)

【某 一般飲食店の事業場への指導】
●36協定で定める上限時間を超えて時間外労働を行わせたことについて是正勧告 (労基法32条違反)
●時間外労働に対する割増賃金を支払っていないことについて是正勧告(労基法37条違反)
●時間外・休日労働を月80時間以内とするための具体的方策を検討・実施するよう指導
●実際の労働時間であるシフト管理表の記録と本社に報告した記録との間の乖離について、その原因を分析し、具体的な再発防止対策を講ずるよう指導
●常時50人以上の労働者を使用しているにもかかわらず、1年以内ごとに1回のストレスチェックを実施していないことについて是正勧告(安衛法66条の10違反)