「無期転換ルール」‥会社の人事労務担当者は問い合わせへの備えが必要です

【H30.4月以降、5年以上勤めているパートさんや準社員さんからありえる問い合わせ】

1)5年勤めると正社員になれる、と法律で決まっているそうなのでお願いします。

2)5年勤めると正社員並みの給料や退職金になるんでしょ。

3)パートで5年勤めたので1日6時間しか働けなくても正社員になれますよね。

 

1)については、正社員になれると決まっているわけではなく、本人が会社に申し込めば1年などの契約期間を決めない、いわゆる「雇用期間の定めなし(無期雇用)」の形に転換して働くことができるようになる、ということです。

正社員となるのか、正社員とは異なる無期雇用の従業員となるのか、会社はあらかじめきちんと決めておかないとトラブルを招く元になります。

2)については、「雇用期間の定めなし(無期雇用)」に転換した場合、給料、退職金や休日、休暇などの労働条件は転換前を下回ることはできない(同様は可)ことになっています。

転換前と同じ条件のままとするのか、転換後は正社員と同じ条件とするのか、特に給料、定年、退職金についてはトラブルを招く恐れが大いに考えられます。

3)は勤務時間に制限がある方の場合ですが、まず正社員について考えてみれば、職務を限定せず様々な部署や仕事への担当替えなどがあり、また勤務地を限定せず広く国内あるいは海外への赴任、あるいは業務の都合により残業もあり得るなど、通常は無限定となっています。

1日6時間と限定した働き方の場合で無期転換した場合、時間限定(短時間勤務)の無期雇用という働き方になることが考えられます。

また、勤務時間の限定以外にも、職務限定や勤務地限定などがありえます。会社はこのような申し出があった場合に備えて、あらかじめ対応を決めておかなければトラブルを招きかねません。

厚生労働省では、有期契約労働者の無期転換ポータルサイトなどを通じて無期転換を円滑にサポートする、としています。