近年、「限定正社員」という用語にふれる機会が多くなったように思います。「多様な正社員」といった表現もありますね。厚労省の無期転換ハンドブックの“仕事の内容を分類する”のところに分かりやすい図表が出ています。

図表のタテ軸は上に行くほど「会社の基幹的(おおもと、重要)な業務」に携わり、逆は「補助的な業務」となっています。ヨコ軸は右に行くほど「恒常的な(いつもある)業務」、逆は「一時的な業務」となっています。ですから、1年などの期間を定めて雇用される有期雇用は、図表の左寄りに配置されることになります。その中で、会社の重要な業務携わる人は上のエリア、補助的な業務に携わる人は下のエリアに位置することになります。

図表の右に行くほど“いつもある仕事”なわけですから、1年などの期間を定めて雇用するのは合理的ではありませんから、雇用期間を定めない無期雇用となるのは自然な流れだと思います。

一定の条件のもとに5年間有期雇用されると、本人の申し出により無期雇用に転換するルールが法に定められましたから、これまで正社員以外は皆、有期雇用だったところが、正社員以外にも無期の雇用形態を設けなければならなくなる会社が出てくると考えられています。

図表の右側のグループには、1)無限定(いわゆる正社員)、2)職務限定、3)勤務地限定、4)時間限定(短時間勤務)、5)無期転換社員があり、このうち2~4の職務限定、勤務地限定、時間限定の3つがいわゆる「限定正社員」ということになります。「多様な正社員」もこれと同じことを指します。

ちなみに、これまでのいわゆる“正社員”は無限定ですから『いつでも、どこでも、なんでも』という言われ方をすることがありますが、これからは本人の事情に応じて職務や勤務地、時間を限定した働き方もできるような制度を設けることが必要と考えられます。