中小にも令和3年4月1日から適用される“パート有期法”と「雇い入れ時の書面」、所定労働時間について

“同一労働・同一賃金”の内容は、労働契約法で定められていましたが、その一部がパート労働法に移され合体し、パートタイム・有期雇用労働法(以下、パート有期法という)となり、大企業はすでに令和2年4月から、中小企業も令和3年4月から適用されることになっています。

さて、使用者がこのパート有期法に対応するときのポイントとして、まずは“雇うときの入り口で労働条件を明確に”ということがあります。

◆ 雇い入れの際、労働条件を文書(労働条件通知書や雇用契約書)を渡して明示すること(パート有期法6条)

雇入れの際に渡す文書の内容は、労働基準法15条で全ての労働者に「契約期間(期間の定めがあるのかないのか)」「(契約期間のある人の)契約更新の基準」「仕事をする場所と仕事の内容」「始業・終業の時刻」「時間外労働の有無」「休憩」「休日」「休暇」「賃金」「退職に関する事項」は文書に書いて渡さなければならないことになっています。

さらに加えてパート有期法6条では、パートや契約社員には「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」も文書に載せなくてはならないとされました。これには罰則もあり、必要なことを書いた書面を渡していなければ、パートタイム労働者1人につき契約ごとに10万円以下の過料となります(そもそも‥労基法15条違反でも30万円以下の罰金)。

この労働条件通知書の内容は、雇用保険(雇用保険法)、社会保険(厚生年金保険法・健康保険法)の適用にもリンクしてきます。「始業・終業の時刻」「休憩」「休日」が書かれていることによって、1週間の所定の労働時間数や労働日数が明確になるからです。雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上かつ継続して31日以上働くのならば強制加入になりますし、社会保険は、週30時間以上の所定労働時間で働く従業員は資格取得しなければなりません。適用するかしないかの根拠は、所定労働時間であるため、これを文書で明確にしておかなければ、取得するのかしないのか、どうしていいかわからずに、手続き事務が混乱する原因となりえます。