令和2年3月末までは、その年度の初日(4月1日)に満64歳以上の雇用保険の被保険者は、雇用保険料が免除されていて、保険料を払わなくても被保険者という立場でした。その雇用保険料免除の恩恵を受けられたのは、昭和30年4月1日生まれの人が一番若い人ということになります。しかし、雇用保険法の改正で令和2年4月1日からは、雇用保険料を徴収することが決まっています。若い頃から引き続いて働いていて、令和元年度に初めて雇用保険料免除を受けた昭和29年4月2日から昭和30年4月1日生まれの人については、雇用保険料を免除されたのは1年だけということになります。

さて、高年齢労働者も雇用保険料を徴収されるようになるので、失業した場合は若年の方々と同じように勤続期間に応じて設定された90日、120日、150日(会社都合のときは勤続期間と年齢により90日~330日)という所定給付日数となるのかと思いがちですが、65歳以上で離職された場合は、30日分か、50日分の高年齢者求職者給付金という一時金で、支給要件・内容はこれまでと同様です。

ただ、別の視点からは、65歳以上の離職者に支給されるこの一時金は、年金と併給されるという特長があります。ちなみに日本年金機構のリーフレットには「65歳になるまでの老齢厚生年金は、ハローワークで求職の申込みをすると、年金の全額が支給停止されます」と大きく書いてありますね。

令和2年4月から、65歳以上の雇用保険被保険者からも雇用保険料の自己負担分を控除するようになることについては、事前にご本人たちのご理解を得ておく必要があります。そうでなければ、4月に給与明細を見たら、突然、天引き額が増えていたというのではトラブルになってしまいます。