「時間単位の介護休暇」「限定正社員の労働条件書面確認義務づけ」が規制改革答申案に

昨日(R1.6.4)の新聞に「メガバンクの一つが兼業解禁」という記事がありました。グループ傘下の銀行、信託銀行などに勤務する総合職と一般職計6万人が対象で、兼業を許すことにより、社内外で通用する人材の育成や新たな金融サービスの開発につなげる狙いだとのこと。

働き方改革実行計画の中で作られた副業・兼業についての「ガイドライン」には兼業にはメリットもあるが、デメリットもあることに留意するよう述べています。記事で会社は兼業のメリットについて語っていますが、兼業することで本業がおろそかになったり、人材が他社に流出する可能性が高くなる、とも言えます。昨年1万9千人の人員削減を打ち出しているメガバンクですから、円満な労働力移動のほうを重視しデメリットをメリットととらえたのかもしれませんが‥。

さて、今日(R1.6.5)の新聞には“規制改革推進会議の答申案で働き方改革推進”というような見出しがあり、△1.介護休暇の時間単位での取得を可能にする、△2.限定正社員の勤務条件の書面による確認義務づけ、などがありました。

時間単位の介護休暇の必要性について44回推進会議の資料を見ると、「労働者自身の悩みのケアのためにも、介護専門職と相談できる機会の確保が不可欠。ケアマネジャーが利用者宅を訪問しケアプランの見直し等を行うモニタリングの際に、家族介護者である労働者が同席することが望ましい。モニタリングは短時間で済む場合が多いが、現行の介護休暇は取得単位が半日であるため、所要時間に応じた小刻みの取得ができない。」が理由の一つとしてあげられていました。このあたり関係する部署の方は把握しておく方がよいですね。。

限定正社員の勤務条件の書面による確認義務づけのほうは、45回会議の資料で、“国は、勤務地限定正社員、職務限定正社員を導入する企業に対し、勤務地、職務、勤務時間等の労働条件について『予測可能性』を高められるよう、個々の労働者と事業者との間の書面による確認を義務付け、現行の労働条件明示に関する規定について必要な法令の見直しを行うべきである”と、改革の方向性の中で述べられていました。ここでは予測可能性がキーワードのように感じます。

例えば「本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義の生じたときは、甲乙誠意を持って協議して解決するものとする」というような条項では、紛争を減らすことが期待できないのでしょう。