健康診断の季節というものがあるとすれば、この辺の時期かもしれません。会社の場合、安全衛生法で従業員に健康診断を受診させることが義務となっており、会社の健康診断で悪いところが見つかり、即入院加療して助かったということも聞きますし、健診は大切なものですね。なお、健康診断の未実施は事業主に罰則(50万円以下の罰金)もありますので、”ついうっかり今年はやってませんでした…”というのは、いろんな意味でよろしくないです。

協会けんぽの山梨支部の資料に「生活習慣病予防検診と他の健診との比較表」というものがありました。それによれば

協会けんぽの生活習慣病予防健診内容は、労働安全衛生法に基づく定期健康診断(法定健診)よりも充実しています。また、生活習慣病予防健診を受診すると労働安全衛生法に基づく定期健康診断(法定健診)の変わりの健診にもなります。

ということです。

kenshin_hikakuそれで安衛法の定期健診にあって、生活習慣病予防健診または特定健康診査にない検査項目だけを抜き出してみました。定期健診にあって生活習慣病予防健診にないのは「医師の意見」という項目です。また定期健診にあって、特定健康診査にない項目というのは「視力」「聴力」「医師の意見」となっていて、医師の判断で選択的に実施するのが「血色素判定」「赤血球数」「12誘導心電図」でした。ただ、定期健診の場合、35歳と40歳以上は必須でそれ以外は医師の判断となっています。

ところで、会社は学生アルバイトさんや臨時のパートさんにも、定期健康診断を受けさせなければならないのでしょうか。それについては、「常時使用する労働者」が健診を受けさせる対象になっていて、次のいずれも満たす者と定義しています。

  1. 期間の定めのない労働契約により使用される者であること(期間の定めのある場合でも、更新により1年以上「使用されることが予定されている」・「引き続き使用されている」場合は該当)。

  2. 1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

このことから考えると、週の労働時間が正社員の4分の3以上ということは、社会保険の被保険者資格を取得すべき人ということになりますから、該当する人がすべて社会保険を取得していれば35歳~74歳の人は、健保の生活習慣病予防健診を受けられることになりますね。生活習慣病予防健診は、協会けんぽの見解では定期健康診断の変わりの健診にもなる(医師の意見という項目がかけているようですが)そうですので、時間数については互換性?があり、健保の被保険者資格の要取得者と定期健康診断の対象者が共通していてすっきりです。

ただ、勤務時間数がおおむね4分の3以上だけれども、何らかの理由で社会保険の資格を取得していない人は、生活習慣病予防健診を受ける機会はないでしょうから、特定健康診査を受ける可能性が出てきますね。それではそれを受けていれば定期健康診断の替わりになるのでしょうか?今日、整理してみたところでは、35歳と40歳以上の人は、血色素判定、赤血球数、12誘導心電図を受けて、それ以外の年齢の人も含めて視力、聴力を受けなければ、健診項目が足りないことになります。もっとも、特定健康診査は40歳~74歳が対象なので、全年齢の労働者が対象となる安衛法の定期健康診断に替えるには、39歳までと75歳以上の労働者が抜け落ちてしまいます。ただ、後期高齢者医療には「後期高齢者健康診査」がありますね。

「健康保険をはじめとした医療保険者が行う健康診断と安衛法による定期健康診断のパズル」がなかなか解けませんが、特定健康診査や後期高齢者健康診査を行う保険者は、それを受ければ定期健診の替わりになりますよ、と協会けんぽのように検査項目を定期健診と同等以上にしてもらいたいと思っているところです。