今週(H28.5.16)に入り、日本年金機構から「短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の適用拡大」のリーフレットが公開されました。平成28年10月1日から、短時間労働者も新たに厚生年金保険等の対象になることの案内です。

tanjikan_tekiyo001リーフレットには、短時間労働者への社会保険適用拡大と、【被保険者の取扱いに係る留意事項】の記載があります。

【被保険者の取扱いに係る留意事項】

被保険者資格取得の基準変更

被保険者資格取得の基準(4分の3基準)が明確になります。

改正前・・・(a)1日または1週の所定労働時間および1ヵ月の所定労働日数がおおむね4分の3以上

改正後・・・(a)1週の所定労働時間および1ヵ月の所定労働日数が4分の3以上

改正前の「1日または」と「おおむね」の文言が、改正後ではなくなりました。

それで思い出したのが、平成18年11月27日に朝日新聞の『特許庁 社会保険270人未加入 非常勤職員の約半数』の記事。特許庁が、社会保険に加入させなければならない非常勤職員を加入させず、社会保険庁から指摘を受けていた、というものでした。

<当時、社会保険に加入させていなかった非常勤職員の状況>

  • 特許庁で事務補助をさせている非常勤の国家公務員
  • 採用予定期間は半年より1週少ない25週以内(適用除外の臨時的事業6ヵ月以内を意識してか?)
  • 1日ごとに契約を更新(適用除外の日々雇入れられる人を意識してか?)
  • 勤務条件は、週4日勤務・1日7.25時間(社会保険庁S55内かん:週30時間以上ならば被保険者とすることを意識してか?)

<平成18年当時、社会保険庁が特許庁に指摘したとされる内容を、新聞記事から推測>

1日7.25時間勤務なのだから正規職員が8時間ならば時間数は3/4以上、1ヵ月の勤務日数は4週4日として・・少なくとも1ヵ月16日勤務、正規職員の1ヵ月労働日数を計算してみると・・、土日祝日・年末年始が休日だから少なくとも年間120休日はある。(365日-120日)/12ヵ月=1ヵ月20労働日くらい、ということは労働日数も3/4以上。

特許庁は・・、でも1週間の時間数は29時間(30時間未満)なので正規職員の3/4は満たしてないから適用する必要はないんじゃないか?と考えていたのでは。

新聞記事では「1週40時間の3/4で、週30時間という線で考えるのは、日によって勤務時間が異なる変則的な時だけ。まずは1日の時間で見るべき」との社会保険庁の指導があったとされています。

さて、新たな『留意事項』では、「1日」がなくなり、「1週」に限定されましたから、この当時のような社会保険庁の指導はできないのではないか・・、と思われますか?、平成28年10月以降は特許庁は昔やってたやり方で社保未加入でいけるじゃないか!と早合点・・。

国に属する適用事業所は・・、国の機関は立法・司法・行政をすべて合わせて一つの単位として判断するため・・、国に属するすべての適用事業所が[特定適用事業所]として短時間労働者の適用拡大の対象となる、とされています。

ですから、特許庁の昔のやり方でも週20時間以上にはなります。特定適用事業所となる特許庁は、適用拡大の基準に照らして加入しないわけにはいきませんね。

なお、会社などの法人の場合、当面は500人以上の被保険者がいるような大きな企業だけが対象です。

そんなことで、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(年金機能強化法)によって、厚生年金保険法12条(適用除外)に5号が追加されることになります。

厚生年金保険法 第12条(適用除外)次の各号のいずれかに該当する者は、第9条及び第10条第1項の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。

1~4 略

5 事業所に使用される者であって、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の一週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者又はその1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者に該当し、かつ、イからニまでのいずれかの要件に該当するもの

イ 1週間の所定労働時間が20時間未満であること。

ロ 当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれないこと。

ハ 報酬について、厚生労働省令で定めるところにより、第22条第1項の規定の例により算定した額が、8万8千円未満であること。

ニ 学校教育法第50条に規定する高等学校の生徒、同法第83条に規定する大学の学生その他の厚生労働省令で定める者であること。

長年‥モヤッとしていた「通常の労働者の4分の3」という内かんによる基準が、法律の条文に入ってなんだかスカッと‥ですね。