milkもう半年ほど経ちましたが、平成24年7月から100人以下の中小企業にも育児介護休業法改正による 「短時間勤務制度の義務化」「所定外労働の免除の義務化」「介護休暇の創設」の規定が適用になっています。

2006年版の中小企業白書に、育児休業について言及して いる箇所があります。そこには、アルファベットの「M」の字に似た形状になることで知られる「女性の年齢階級別の労働力率のグラフ」がありました。

20歳前後で就職した女性が、出産・育児期の30代前半に仕事を辞め、女性の労働力率が落ち込みます。そして、出産・育児を機にいったん退職した女性は、極めて再就職をしにくい現状があり、 厚生労働省の「出生前後の就業変化に関する統計」によると、出産1年前に就業していた女性のうち、いったん離職した後で再就職しているのは、わずか18%程度に過ぎないのだそうです。 この再就職しているという場合にも、パート等として復帰している率が高く、中核的な正社員 として復帰するのは極めて難しいということを、M字カーブはあらわしています。

白書を読み進めると、「仕事と育児の両立」を現実とするため育児休業をはじめとした取り組みは、大企業は”制度”の整備を中心に施策を講じてきており、小規模会社は、これとは別の方向から仕事と育児の両立をしやすい職場環境を実現している、としています。

白書では、中小企業の特性より導き出せる仕事と育児を両立しやすくするための発想についてポイントをまとめて、主に以下の5点をあげています。

  1. 従業員が「本来持っている能力」に基づいた人事評価をすることにより、キャリアロスを軽減できる。(人事評価・異動慣行の見直し)
  2. 役職の階層をフラットにすることでも育児休業を取得する際のキャリアロスを軽減でき、また役職の階層のフラット化と下位の役職への権限委譲を行うことで、各種両立支援のための取組を促進させる効果がある。(企業の組織形態・権限関係の見直し)
  3. 職場と従業員の住居が近いことは、女性にとって仕事と育児を両立しやすい環境となるため、仕事と育児の両立支援という観点からも、職住近接のまちづくりは有効である。(コンパクトなまちづくり等)
  4. 職場に子どもを連れてこられる環境を整備することで、仕事と育児は両立しやすくなる。子どもの居場所や面倒を見る人の確保は、様々なアイデアで取り組むことができる。
  5. 管理職に占める女性の割合などを仕事と育児の両立しやすさの指標として普及させることは、求職者側だけでなく、企業側にとっても人材を確保する際の宣伝の指標となり、有益である。

大企業は育児介護休業法に沿って社内の制度を構築していくことで、仕事と育児を両立させる方向に進んでいるわけですが、ちっちゃい会社は両立しやすい職場環境を実現していることで、望ましい姿になっていることが多くありそうです。。

中小企業白書(2006年版)の第3部-第3章-第7節にこのあたりことが詳しく記されており、白書の図3-3-43の棒グラフの頂点の位置がU字のカーブを描いています。この分析結果や推測がとても共感が持てました。

ちっちゃくもなく、大企業でもない会社⇒すなわち規模100人前後の企業が、”仕事と育児を両立しやすい職場かどうか”は、制度整備の面からも職場環境の面からも進んでいないようで、この資料からは規模中程度の会社は遅れをとっていると判断せざるをえないようです。